アイドルのいる暮らし

生まれてこの方ずっとアイドルオタクな僕が提唱するアイドル哲学はこのようなものでしかありません。

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』に見る地方アイドルの現実と課題

2020年1月から BS-TBS系で放送されている アニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』Twitterやってるアイドルオタク(ジャンル問わず)認知してる説。


ありえなくない。毎日の様にアニメのキャプ画像をTLで見かける。
コミックスは2016年から販売されているようだが、これまでマンガのコマをTLで見かけることは稀だったので、やはりアニメの影響力というのはすごい。

オタクとして主人公・えりぴよに共感し、さらに"理想のトップオタ"として相応しいその生き様に一種の”憧れ”も生まれるのかもしれない。視聴者にはChamJamのメンバー推しよりも圧倒的にえりぴよ推しが多いように思える。


しかし、いち地方アイドルオタクとして、アニメを見ていて何点か気になってしまう点があった。

・ChamJamの劇場ステージに巨大LED掲示板がある点。
→まず、全国探してもそんな地方&地下アイドルの専用劇場はないだろう。踊るメンバーの後ろに映像を映すとして、天井から吊るしたプロジェクターで投影するのが精いっぱいだろう。予算的にぎりぎりまたはすでに赤字なのに、全く採算が合わなくなりますよね。ホールクラスじゃないと電力会社にも文句言われてしまいそうだ。

・単独公演にざっと見て客が30~50人くらいいる点。
→これは、アニメ内のナレーションで「十数人」と言っていたので、作中でもすでに矛盾が起こってしまっている。断言しよう。首都圏を除く地方アイドル、お客さんの入り平均すると「十数人(10~20人)」で妥当だ。下手すりゃメンバーの生誕でさえこけることもある。そもそも単独公演を行えるアイドルも少ない。

・さくら祭りみたいなのは全国でやってるからまだ許せる。動物園イベントは、、、、

→地方アイドルの理想を描いた作品かと思って見てたのに。池田動物園でイベントしたアイドル、、、いたなぁ。。。モチーフなのかな、う~ん。



この『推し武道』、舞台が岡山県岡山市である。


岡山と言えば、女優の桜井日名子ちゃんやPRODUCE101 JAPANでトップの座に輝き、JO1のセンターでデビューすることとなった豆原一成くん、今やトップ美容系(?)YouTuberの一人となった まぁたそ などを思い浮かべるのではなかろうか。

なかなかのアイドル大国なのかと勘違いしてしまうが、これが全く違う。

大都会岡山という土地は都会でアンケートを取った「移住したいランキング1位」だそうだ。瀬戸内気候に加え、地盤がしっかりしていることが知られている。

そして、アイドルオタク文化が根差さしてこなかった土地である。

それには、隣県のアイドル養成力、名産品が「桃太郎」しかないこと(名産とは?)など理由は様々ありそうだ。
唯一、岡山のアイドルイベントに一躍買っていたジョイポリスも閉店してしまったな。

古くからオタ文化の浸透しないところだったそうだが、駅前に大きなビックカメラがあり、アニメイトらしんばんも撤退しないことからそこまで悲惨ではなさそうである。岡山市以外でもアニメの聖地となってる観光都市もあるようで、ある意味アニメオタクは少なくなさそうだ。

 

『推し武道』はChamJamの劇場のロケ地がスマイルホールなのもあって、岡山のロコドル・Sha☆inと被る点がある。


岡山のアイドルといえば、メイド喫茶を拠点としたハニーブランチというアイドルが数年前まで一番手だったように感じるが、Sha☆inも初期マーケティングの改変によって徐々に地元知名度はあがってきているのではないか。数少ないロコドルオタに詳しく聞いてみたいものだ。

1期のメンバーを7人選んで6人でプレスリリースが行われたことから、プロデューサーはリアル『推し武道』を狙っていたのかもしれない。

実際のところは、アイドル文化の根差さない土地・岡山の洗礼をうけたんじゃなかろうか。メンバーは固定メンバー2人がいる印象しかない。
オーディションを年中開催するも知名度の低さから応募者に恵まれているようでもなかった。2期の子がかわいくて、才能あるように感じたが。どこ行ったんだ。

 

 う~ん。岡山で利益になるかならないかわからない活動をさせる高校生くらいの女の子たちを7人も集めろと言われると。なんか非現実的に感じてしまうな。。。

 

 


まあ、アニメのアイドルを現実に寄せすぎると『Wake, Up Girls!』のように逆に、(現実的になりすぎて)アニメなのになぜか見てて辛くなってしまうものになる。批判ではないのだ、あれはあれで好き。
だから、アニメ『推し武道』としてはこれが正しいと言えるし、モチーフがいることで作者も作画班も助かったのかなと思うので、結果として多数がハッピーになる方法が取られているだろう。

 


ただ、いち地方アイドルオタクとして、何か胸に引っかかってしまった。えりぴよはじめ、その周りのようにオタ活を頑張れているオタク(トップオタ含む)がSha☆inにはいるのかな。はい、部外者が余計なお世話ですね。十分承知なのでこれ以上はやめておきます。


冒頭にも述べたように、アニメの力はすごい。

 

アニメの認知度がアイドルのマーケティングに繋がりますように。

 

『推し武道』の成功を機に岡山のアイドル、ひいては全国の地下にいるアイドルに利益が還元されますように。